こんにちは!カズマです☘
みなさん、『やぎさんゆうびん』という歌はご存知ですか?
そう、「白ヤギさんからお手紙ついた、黒ヤギさんたら読まずにたべた」のあの歌です。
何がきっかけかわからないのですが、先日布団に入っていたら突然頭の中に流れてきたんです。
中身を読まずに食べてしまう破天荒さと、わざわざお手紙を返す律儀さ。
ムシャムシャ咀嚼する黒ヤギと白ヤギ。そして永遠に続くであろう、ふたりのやりとり…。
色々想像するととんでもなく面白いことに今更気づき、危うく眠れなくなるところでした😅
たった60文字で容易にその場面を想像させ、無限ループまで作り出すその創作力たるや凄まじく、
ただただ尊敬するばかりです🙇
この歌の作詞を手掛けたのは、詩人で作詞家のまどみちお氏。
かの北原白秋にもその能力を認められた才人であり、なんと104歳😲❗で亡くなられるまで
現役として創作活動を続けた鉄人でもあります。
『やぎさんゆうびん』は1953年にラジオで放送されたのが始まりとのこと。(詩は1939年初出)
70年経った今でも、有名な童謡としてみんなに愛され続けているなんて、本当に凄いですね!!
ガラスレンズについて
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回はまど氏の作品のように永く愛され続けている
「ガラス素材のメガネレンズ」についてお話ししたいと思います。
最近はほとんどのメガネがプラスチックレンズ(以下PL)になっていますが、
ガラスレンズ(以下GL)じゃないとだめ!と、好んで選ぶ方が今でも多くいらっしゃるんです😊
GLの主なメリットやデメリットは、以下の記事でみことさんが紹介してくれています。
超強度レンズや特殊加工も!ガラスレンズのメリットをご紹介♪
こちらで薄さやキズ・熱への耐性はお伝えしていますが、GLユーザーの多くが重視する良さとして
「透明感やシャープな視界」といった光学性能の高さが挙げられます。
望遠鏡やカメラ・顕微鏡などの、より高度な光学製品のレンズは全てガラス製、ということからも
その性能の高さはおわかり頂けるのではないでしょうか📸
ただ、PLのように様々なカラーへの染色ができないですし、メガネへの加工がかなり制限される為、
選べるフレームも限られてしまうというデメリットはどうしてもついて回ります。
ファッションアイテムの一つとしてメガネが認知された昨今においては、
より自由度の高いPLに押されるのは当然のことかもしれません。
そんな状況でも、未だに根強い需要を保つGLはやっぱり素晴らしい製品なんだなと思います😊
ガラスレンズの工程
東海光学はPLを開発・生産する工場に加えて、GLの生産工場も同じ岡崎市内に構えています🏭
それがこちら!鴨田町にある「鴨田工場」です。
レトロ感漂う、素敵な佇まいだと思いませんか😉
鴨田工場は、以前ご紹介した「大樹寺」のほど近くに位置しています。
創業者の古澤静が戦後復興の第一歩を踏み出した、いわば原点のような場所です☝
ここでは、GLの切削・研磨からカラーコート、貼り合わせなどの特殊加工等を行っています。
今回は特別に、一部の工程を写真つきでご紹介しますね!
PLの工程については、以前はなさんがこちらの記事で紹介してくれました。
メガネレンズが完成するまで~キャスト工程編~
メガネレンズが完成するまで~切削・研磨、染色工程編~
GLでは、「キャスト」や「ハードコート」の工程はありません。
そもそも表面が硬いわけですから、ハードコート自体が不要なのです😀
それでは、まず切削と研磨の工程をご紹介します!
この「ゼネレーター」という機械で、お客様の度数に合わせて裏面を切削します。
かなり年季の入った大ベテランさんですが、バリバリの現役です!
切削の時間としてはおおよそ1分半。素材が硬いのに、思ったより早い印象でした。
この後は、「スムーシング」の工程で切削した面を研磨します。
この機械もなかなかのベテラン感で、只者ではない雰囲気を醸し出していますね…
機械の上部にレンズをはめ込み、下部に度数に合わせた「皿」を当てて磨き上げます。
両工程とも一見するとかなり使い込まれた機械を使っており、最先端のPLとは全く違います。
正直なところ大丈夫かな…と感じてしまうところがありました。
でも、事実としてここから高精度なGLを生みだし続けているわけであり、
年季の分だけノウハウも詰まっているということ。彼らも立派な職人さんたちなのです!
研磨後の検査を経て、カラーご希望のご注文であれば「カラーコート」の工程に移ります。
PLとは違い、GLはレンズに色を染み込ませることが物理的に不可能です。
そのため、この写真の機械で反射防止コートと同様に蒸着方式でコーティングをしています。
巨大な反射防止コートの機械に比べ、この子はとてもコンパクト!
ちょっと写真は掲載できないのが残念です😅
そうですね…サイズも形もスターウォーズのR2D2を想像して頂ければほぼドンピシャかも👌
また、少ないカラーバリエーションを補うために、この他にも貼り合わせカラー(NC)という
手法を取る商品も一部あります。
そして反射防止コートを掛けたのち、出荷前の検査をしっかりと行います。
こちらで最終的な光学・外観検査を行い、GLたちはこの鴨田工場を飛び立っていくのです🚚
特殊なガラスレンズ
一般的な製品についてのざっとした流れはこのような感じになりますが、
実はGLにはもっとスペシャルな工程が存在するんです!
その名も「特殊ラボ」。
ガラスには、お客様のご要望に合わせたレンズが製作できる、というもう一つの利点があります。
裏だけではなく表にも度数をつけたり、レンズに別のレンズを貼り付けたり…。
ただし!!相当な知識と経験、そしてウデが必要という高すぎるハードル・大前提が存在します。
光学的な計算から研磨までほぼ一手に担う。まさに職人、『匠』の領域!
例えば、先のみことさんの記事にもある「S-280」というレンズはその代表作といえます。
その他にも手掛けているレンズを含めて、声を大にして📢がっつりご紹介したいところですが、
止まらなくなるので次回のみことさんにおまかせしようと思います😉
まとめ
いかがでしたか?
商品の設計や加工の技術、機械類もどんどん進化し続けるプラスチックレンズ(PL)に対して、
ガラスレンズ(GL)ははっきり言って大きな進化や変化はほとんどありません。
しかしながら、これまで築き上げてきた技術やノウハウを長い間ずっと繋ぎ続けて、
多くのGLユーザーや様々なお悩み・ご要望をお持ちの方に応え続けているということは
それにも増して凄いことなんだな、と僕自身も再認識できました。
まどみちお氏の歌ように、いつまでも愛され、求められるメガネレンズを作り続けている
この凄さが、皆さんにも伝わったのであれば嬉しく思います✨