こんにちは!103号室のみことです。
最近テレビで、おうち時間で見つけた趣味や特技などの特集をよく目にします👀
休みの日も遊びに行けないもどかしい日が続きますが、
その分普段とは違う時間の使い方で、新たな発見があるのは面白いですよね☺
私はというと、外出自粛で時間が有り余っているこの機会に、よくピアノを弾いています🎹
ピアノを弾いていてふと思い出したのですが、
昔、ピアノ教室で見る鍵盤は白く見えていたのに、発表会で舞台の上で見る鍵盤の色は黄色く見え、
同じピアノのはずなのに色が違って見えることを疑問に思っていたんです🤔💭
ピアノに限らず、メガネレンズでも屋内と屋外で色の見え方が違って見えたり、
眼鏡店で購入したときと自宅に持って帰って見たときに、
同じレンズのはずなのに違って見えた、という経験をした方もいるかと思います😥
きっと照明が違うので違う色に見えるのだと思いますが、
そもそもなぜ照明が変わると色が変わって見えるのでしょうか?
今回はこの光と色についてお話ししたいと思います💁♀️✨
ヒトが色を認識する仕組み
ヒトが「モノ」を認識する仕組み
暗闇でモノを見ようとしても何も見えないように、
モノを見るためには「光」が必要です。
光源(太陽や蛍光灯など)からの光がモノを照らすと、
モノの表面ではその光の一部を吸収し、残りを反射します。
反射した光が目に入り、情報として脳に伝わることで初めて「モノを見た」と認識します。
ヒトが「色」を認識する仕組み
この時「色」はどのように認識しているのでしょうか?
色を認識するのには光の波長が関係しています。
光は波長によって大まかに下図のように分けられます。
波長が短いのが「紫外線」、波長が長いのが「赤外線」です。
私たちが目に見える光は「可視光線」と呼ばれる波長です。
この可視光線のうち、短波長の多い光を見たときに「青い」と感じ、
中波長が多いと「緑」、長波長が多いと「赤い」と感じます。
例えば、光がリンゴに当たると、リンゴの表面では短波長(青)の光と、
中波長(緑)の光が吸収され、長波長(赤)の光が多く反射されます。
この長波長(赤)の光が多く目に届くことで、リンゴが「赤い」と認識するわけです🍎
照明によって色の見え方が違う理由
それではなぜ照明によってモノの色が違って見えるのでしょうか🤔
それは光源(照明)によって含まれている光の種類や量が違うからなんです。
私たちの身近にある太陽光、蛍光灯、LED電球などの光源は、どの光源も可視光線を発しています。
しかし、それぞれ発している可視光線の波長の種類や量は異なるのです🙌
実際に同じリンゴでも光源が違うと色が違って見えますよね👁
リンゴの場合は可視光線の中でも赤の波長域が光源によって異なるため、色が違って見えるんです🧐
それでは光源別にデータで分かりやすく説明してみます!
太陽光
下図は「分光分布(ぶんこうぶんぷ)」と呼ばれる、
光源の中に可視光線がどのように含まれているのか表したものになります⬇
例えば上図の太陽光の分光分布を見てみると、
短波長から長波長まで多くの光が含まれていることが分かります。
蛍光灯
一方で蛍光灯の分光分布を見てみると、太陽光と打って変わって、
540nm付近の緑色の光など「輝線(きせん)」と呼ばれる特定の波長が飛び飛びに発せられていることが分かります。
また、波長域によっては出ていない光があることも特徴です。
蛍光灯は太陽光と比べて赤色の波長域が少ない為、実際に蛍光灯の下でリンゴを見ると、
太陽光よりも赤がくすんだような見え方になるんです⬇
白熱灯
白熱灯は、短波長から長波長になるにつれて徐々に光量が増えていることが特徴です☝
特に赤色の長波長の光を多く含んでいることが分かります。
そのため、実際に白熱灯の下でリンゴを見てみると、
太陽光と比べて赤色がより鮮やかに見えるんです⬇
ちなみに、スーパーのお肉コーナーなどはお肉を鮮やかに美味しく見せるために、
赤色の波長が多く含まれている照明を使用したりしているそうですよ😌
LED電球
LED電球は、450nm付近の青色の光を多く含んでいることが分かります。
そのため、実際にLED照明の下でリンゴを見てみると、太陽光に比べて青みがかって見えるんです⬇
このように光源によって含まれている可視光線の量や種類は様々で、
この可視光線の違いが、照明によってモノの色が違って見える理由でもあります👀
L*a*b*色空間で見る色の違い
光源によってモノの色が違って見える理屈が分かったところで、
実際にどのくらい違って見えているのか、測定をしてみました🔍
リンゴ
測定方法は、「分光放射輝度計」という測定器を使い、
光源(太陽光、蛍光灯、白熱灯、LED電球)の下に置いたリンゴの、
反射して返ってくる波長を測定していきます。
測定結果は下図の「L*a*b*色空間」と呼ばれる、モノの色を表す表色系を使用して見ていきます📝
リンゴを各光源の下に置いて測定した結果がこちら⬇
拡大してみると、白熱灯が少しオレンジ寄りになっており、より赤色が強く出ていることが分かります。
また、LED電球は青色寄りになっています。
実際に写真で比較してみても、確かに白熱灯は赤色が強調されており、LEDは青みがかって見えますよね👀
ついでに、冒頭でもお話ししたピアノの鍵盤も測定をしてみました🔍
(会社にピアノは持ってこれないので、今回は鍵盤ハーモニカで測定しました🎹)
測定結果はこんな感じに⬇
白熱灯が黄色寄りに出ていることが分かります。
舞台照明は白熱灯が多く使われているので、舞台で見ていた鍵盤は黄色く見えていたんですね👀
長年の疑問がやっと解決しました😳
カラーレンズ
では冒頭でもお話ししたカラーレンズはどうでしょう🤔
4種類のカラーレンズで測定をしてみました🔍
測定方法は分光放射輝度計のレンズにカラーレンズを当て、
光源(太陽光、蛍光灯、白熱灯、LED電球)の下に置いた白色板から
反射して返ってくる波長を測定していきます。
この方法で分光放射輝度計のレンズ部分をヒトの目に見立て、
ヒトがサングラスをかけてモノ(白色板)を見たときの光源別の色の違いを見ていきます。
今回は、ブラウン系、ブルー系、グリーン系(濃い色と薄い色)のレンズを使用して測定してみました🔍
測定結果を拡大してみるとこんな感じに⬇
上に行けば行くほど黄色く、下に行けば行くほど青色に見えています。
やっぱり同じレンズでも、光源によって少し色が変わって見えるんですね🧐
今回の測定結果を見てみると、ほとんどのレンズが白熱灯の下だと黄色寄りになっていることが分かります。
つまり、白熱灯の下でレンズを見ると、少し黄色がかって見えるということです👀
レンズの色を確認する際は、白熱灯などの暖色系の照明は避けた方がよさそうですね😵
ちなみに、メガネレンズメーカーがカラーレンズの色を検査する際は、
JISで規定されている演色性の高い蛍光灯(〇〇N-EDLや〇〇N-SDL)を使用しています😌
ヒトの感性は不思議なもので、照明が変わるだけで気分や感情が変わったりしますよね。
例えば、落ち着きたい寝室には暖色系の照明を使ったり、集中したいオフィスでは寒色系の照明を使ったり…
海外のある病院では太陽光と同じような波長を持つ照明を使用したところ、
入院中のストレス軽減、手術後の回復スピードアップ、鎮痛剤投与回数の削減などの効果があったそうですよ🙆♀️
照明を買い替えようとしている方は、ぜひ光と色の特性を考えて選んでみてください😌
メガネはもちろん、自分のお気に入りのモノの色がより綺麗に見える照明にすれば、
日常生活がより豊かなものになるかもしれません☺