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ホームブログ - メゾンde東海の住人 › 「見えない」「見えづらい」を知る ~視覚障がいについて語る 座談会~

こんにちは!☺
104号室のカナです!

2021年秋からスタートしている
「弱視(ロービジョン)」の女の子がヒロインのドラマにはまっています!

ちょっと強気な弱視の女の子と、
単純で純粋なヤンキー君とのやりとりがコメディタッチに描かれながらも
要所要所で視覚障がいの知識について考えることができる話題のパラドラマです。

 

さて、このドラマの中でもたびたび解説がありますが、
「弱視」「視覚障がい」といっても様々な状態の方がいます。

例えば、ヒロインの女の子は、色と光がぼんやり分かる程度の弱視。
そのお友達は、光がまぶしい弱視や生まれつき全盲など。

“視力が弱い”と言っても、
一般的にメガネやコンタクトで矯正すれば視力が出る場合は、“障がいがある”とは言いません。

「弱視」や「視覚障がい」というのは、
・矯正した状態でも一定以上の視力が出ない
・視野が狭い、欠けている
(ちなみに正常な人の視野は両眼で180度~200度)

・ものがゆがんで見える
・まぶしさを強く感じる
・色味が分かりづらい
・奥行きや段差が分かりづらい
…など、ここに挙げた以外にも症状は様々です。

さらに、その『程度』も様々!
かなり? 少し? このくらい?…ってどの程度なのでしょう??🤔

そして自宅や学校、職場では?🤔
『生活環境』だってみんな違います。

 

「見えない」「見えづらい」ことで大変なことも多いはずですが、みんな生活をしている…!
その中で、普段どのようなことを感じているのかな? どのようなことを考えて過ごしているのかな?
…と、最近特に想像します。(ドラマの影響は絶大 😮 )

しかし、想像だけではどうしても限界があるので、
実際に視覚に障がいを抱えている方々と、その支援者の方に
おはなしをお伺いする機会をいただきました。

今回は、その内容を少しご紹介します。
※お答え頂いた方のおはなしは、個人のご意見としてお読みください。

 


今回は5名の方よりおはなしをお伺いしました☺

まずは、どのような見え方なのかを教えていただけますか?

① WTさん
糖尿病網膜症
白内障
・視力は目の前に提示した指の動きが分かる程度。
・中心の視野が欠けているため文字を読むのが困難。
・周辺の視野はまだ残っているので、(比較的)歩きやすい。

② SKさん
網膜色素変性症
網膜はく離
・右目の視力は矯正した状態で0.6程。
・左目の視力は、目の前に提示した指の動きが分かる程度。
・ピンポイントで物を探すのが困難。道路の側溝に落ちたりする。

③ SZさん
網膜色素変性症
・視野の97%が欠損している。
・視力は矯正した状態で0.5程。
・夕方や夜が特に見えづらい。

④ ISさん
網膜色素変性症
・子供のころから暗いところが見えづらいと思いながらも普通に過ごしていた。
・高校生のころから視力が落ちはじめ、現在は視野の98%が欠損している。
・現在の視力は目の前に提示した指の動きが分かる程度。
・出産をきっかけに白杖を持つようになった。

⑤ SMさん
晴眼者(障がい者ではない)
・パートナーが視覚障がいになったのをきっかけに、
 目に不自由がある人と歩くにはどうしたらいいかを学び、今はそれをお仕事にしている。

みなさんそれぞれ、視覚に障がいを抱えながら、
例え同じ病気の診断がされていても、発症した時期も、進行するスピードも違い、
見えるもの、見えないものも違う。
またそれに対しての、それぞれの感じ方や捉え方も違う。
改めて、「見ること」は感覚だと考えさせられました。

 

今話題の弱視がヒロインのドラマ。みなさんから見てどのように感じますか?

・当事者目線で描かれていてとても楽しい。
・病気や障がいを扱うドラマは重くなりがちだけど、このドラマは明るくて見やすい。
・ドラマを通じて、自然と知識が増えたり心に残ったりする作品だと思う。
・何かを考えるきっかけになると嬉しい。
・あんなイケメンヤンキーに懐かれたら女子はみんなキュンキュンしてしまう…(激しく同意❣)
・白杖を持つことに躊躇している人へ勇気を与えられる。
・ドラマの影響か(?)、街を歩いているときに声を掛けてくれる人が増えた。

このドラマは、当事者の方々の目線から見ても質の高い作品だと伺えます。
私自身、ドラマを見るたびに、「そうなんだ」「こんな気持ちなんだ」と知ることが多いです。
当事者の方々も共感でき、そうでない人は勉強になる、気づかせてくれる、
とてもいい影響を与えるドラマなんだと、改めて実感です。

 

みなさんにとって白杖とはなんですか?

・白杖は安全に歩くために欠かせないアイテムだけれど、
 周りに自分が視覚障がい者だと認識してもらえる役割もある
・病院など、人が多いところや狭いところでは白杖を使いづらい。
 でも白杖を持っていると受付などの方がすぐに気づいてサポートしてくれる。

ドラマにも描写があったように、白杖を持つまでには苦悩もあるかと思います。
でも、白杖を持っている方がいたら、周囲はその方に気づき気にかけるようになります!
周囲に知られることによって、より安全な歩行につながりますね。

 

視覚障がい者の方に街で出会った時、また声をかける時は、どうしたらいいのでしょうか?

・困っているときに気にかけてくれるのは嬉しい。
 ただ、いきなり触られると驚いてしまうので、まずは声をかけてもらえると安心する。
・知り合いの場合は、話しかけるときには自分の名前を名乗ってから話しかけてくれると助かる。

たしかに、ドラマでもヤンキー君がヒロインの女の子に話しかけるシーンでは、
自分の名前を名乗ってから話しかけています!(しかも気持ちがいいほど元気!笑)
見えづらい方からしたら、まずは名乗ってくれたら安心できますね。

・街で好奇心旺盛な子どもたちなどに無邪気に質問されることもある。
 こんな感じで、気になることがあれば気兼ねなく聞いてほしい。
(障がいの有無に限ったことではないが、受け答えが得意な人もいれば苦手な人もいるので注意)

正直色々気になるものの、どのくらい踏み込んでいいのか、失礼にならないか、と躊躇してしまいがちです。
しかし、自分とは違う経験をした方から得た情報は、必ず新しい視点に繋がります。
相手が誰であっても聞くことは勇気がいることですが、知ることはとても大切ですよね。

 

コロナ禍で生活はどのように変化しましたか?

・同行援護(付き添いサポート)が受けられない時もあり、スーパーなどに行くことが難しくなった。
 でも、ネット販売の対応を始めるスーパーが出てきて、それはそれで助かる。
・やはり現物を手に取って確認したいものは、ネットではなく実際にお店で商品を見て買いたい。
・病院へ行くのを延期していた。
・福祉機器展示会の開催が軒並み中止となり、情報を得る機会が減った。

ドラマでは描かれない、現実世界の苦悩…コロナウイルス。
必要なサポートが受けられなかったり、
福祉機器の展示会などの開催が無かったりして情報が行き届かないことも多いようです。
視覚を補うために直接モノに触れて確認するのにも躊躇することがあるかと思います。
早く安心して過ごせるようになってほしいです。

・・・・・・

盛り上がりすぎて、実はここには書ききれていないこともまだまだあるのですが、今回はこのくらいで。

おはなしをいただいたみなさんは、とても気さくな方々で本当に楽しくて、
とても親近感を感じられた素敵な時間でした😊

みなさま、ありがとうございました。

 


人が得る情報の80%は視覚から、と言われています👀

自分が何気なく過ごしている日常生活は、
見る感覚が十分ではない方たちにとって、不自由を感じることが多いことと思います。

傍から見て、きっと大丈夫だろう、と通り過ぎるのではなく、
自分に何かできことはないかな、と。
それを想像できるように、動けるようになるにはどうしたらいいか。

まずは「知ること」からだと、私は思います。

今回、貴重なおはなしをお聞きしたことで
自分が想像できなかった世界を少し知ることができました。
間違いなく自分自身の幅が広がり、そして、深くなりました。

改めて、いろいろ考え自分の成長を感じられた時間でした☺

 

ではまた🤚

 

Writer
104号室 カナ

104号室 カナ

コンタクトセンター所属。
ロービジョンケアの知識を活かし、お客様のお困りごとを解決しています。

生まれも育ちも岡崎市です。
趣味は絵本を読むこと、読み聞かせをすること。
たまに小学校で読み聞かせのボランティアをしています。
岡崎市内で大好きな場所は岡崎市立図書館(通称:りぶら)です🎵

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