みなさんこんにちは!こはるです。
先日、SNSで芸能人の方が「ついに老眼鏡デビューした」という投稿を見かけました。
年齢を重ねると、老眼鏡が必要になることは自然なことですが、以前は「老眼=老い」と捉えて、隠したいと思う方が多かったように思います。
しかし、近年ではSNSやテレビなどで老眼鏡についてオープンに語る芸能人の方が増えてきました。
生き方が多様化している現代では、年齢を重ねることは必ずしもネガティブなことと捉えず、「経験を重ねて魅力的になっている」とポジティブにとらえる考え方も増えてきたように感じます。
ただし、誰もが通る道とはいえ、老眼になってしまえばやっぱり不便ですよね。
わたしも最近、目の疲れが蓄積してくる夕方や、薄暗い場所で細かい文字が見えにくくなったと感じることが増えてきました。
だんだんと他人ごとではなくなってきた、避けては通れない「老眼」について、詳しく調べてみることにしました。
この記事の目次
老眼鏡はなぜ必要?
老眼ってなに?
老眼とは、加齢に伴って目の調節機能が低下することで「近くのものが見えにくくなる」状態をいいます。

遠くを見る時、目の中にあるレンズ(水晶体)は薄くなって、リラックスした状態です。
近くを見る時は筋肉(毛様体筋)の働きによってレンズ(水晶体)を厚くすることで見たい場所にピントを合わせます。

しかし、加齢に伴いレンズ(水晶体)は硬くなり、筋肉(毛様体筋)も衰えていきます。
その結果、調節力が低下し、近くにピントが合わせづらくなり、老眼を実感するようになるのです。
これは視力の良さ、悪さにかかわらず誰にでも起こる自然な老化現象で、避けては通れません。
実は、加齢による調節力の低下は10代から徐々に始まっています。
ですが、手元の30cmくらいまでが見えれば、日常で不便を感じることが少ないためあまり気になりません。
そして大体40代ごろになると、手元30cmより手前が見えなくなり、「老眼を自覚する」ことになります。
老眼を自覚した後も、調節力は徐々に低下し、50代、60代まで進行していきます。
どんな人が老眼鏡を使うべき?老眼鏡を検討するタイミングは?
老眼鏡をかけ始めるのは、手元の見づらさを感じ始める40代頃からがおすすめです。
しかし、調節力の低下は個人差が大きく、視力の違いによっても不便を感じ始めるタイミングは異なります。
近年はスマホの普及によって日常的に近くを見る機会が増えたため、若い方でも老眼の症状に気付きやすい傾向にあるようです。
これは「スマホ老眼」とよばれ、スマホを長時間使用すると、目の筋肉が緊張しピント調節機能が低下しやすくなるために起こります。
目の疲労の蓄積は、老眼の症状を悪化させる可能性もあります。
手元が見えにくかったり、読書やスマホを使用していて目の疲れを感じる方には老眼鏡の使用をおすすめします。
目の疲れを感じると、目がかすんだり、しょぼしょぼしたり、頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
これらの症状は、ピントを合わせようと筋肉(毛様体筋)が過剰に働き、疲労しているサインです。
老眼鏡を使うことで、目のピント調節を助け、目の疲れ軽減にも役立ちます。
読書やスマホの使用がより快適になり、仕事や趣味の効率も向上します。
近くを見るのに不便を感じ始めたら、無理せず老眼鏡を検討しましょう。
老眼の進行を遅らせる方法はある?老眼についての誤解とは
目の周りの筋肉を鍛えることは、老眼の進行を遅らせる方法の一つと言えるかもしれませんが、まずは目を休めることが大切です。
長い目でみると老眼の進行を遅らせる大きな効果は得られにくいといわれています。
「近視の人は老眼になりにくい」と言われますが、これは誤解。
視力が良く普段から裸眼で遠くが良く見える方は、近くを見る時には調節力を大幅に使い、目の中のレンズ(水晶体)を厚くして近くを見ています。
それに比べ、近視の人はもともと裸眼で近くにピントが合っているため、調節をする幅が少なく調節力が弱くなっても「老眼に気付きにくい」のです。
ただ、遠くが見えずメガネなどで視力調節をしている場合は、手元を見る際の調節力が多く必要なため手元見えづらくなり、メガネをかけたり外したりすることになります。
また、老眼鏡を早くかけると老眼が進むというのも誤解!
我慢して老眼鏡をかけずにいると、目は自力で調節しようとするため筋肉(毛様体筋)に余計な負担がかかってしまいます。
見づらさを我慢し続けるよりも、老眼鏡の使用を検討しましょう。
老眼鏡のレンズの種類|単焦点レンズと累進レンズの違い
これまで「老眼鏡」という言葉でひとくくりにしてきましたが、実は老眼鏡には大きく分けて2種類のレンズがあります。
それぞれの違いやメリット・デメリットを比較してみましょう。
①単焦点レンズの老眼鏡とは?メリット・デメリット

単焦点レンズは、見たい距離に焦点を合わせて作られているレンズです。
例えば、読書用の老眼鏡は手元の本に焦点を合わせて作ります。
そのため、数メートル先のテレビや遠くの景色はぼやけてよく見えません。
◆メリット
・歪みを感じにくく、視界がクリアに見える
・比較的安価に購入することができる
・雑貨屋、100円均一ショップなどで簡易的な老眼鏡も販売されている
◆デメリット
・近くに焦点を合わせているため、遠くや中間距離を見るには掛け替えが必要
・掛けたり外したりする必要があり、老眼鏡を使用していることが分かりやすい
・用途によって複数のメガネを使い分ける必要があるため持ち物が増え、行先で置き忘れる要因になる
単焦点レンズは特定の距離を見ることに特化しているため、用途に合わせて使い分ける必要があります。
「読書の時はこのメガネ、パソコン作業の時はこのメガネ」といった具合に、複数の老眼鏡を上手に使い分けましょう。
②累進レンズの老眼鏡とは?メリット・デメリット
累進レンズは、1枚のレンズで複数の距離に焦点が合うように設計されている境目のないレンズです。
遠近両用レンズの場合、上部は遠く、下部は近くを見るのに適した度数になっていて、境目が無いのが特徴です。
見た目は普通のメガネと変わりません。
◆メリット
・遠くも近くも1本のメガネで対応できる
・掛け替えが不要で老眼鏡を使っていることに気付かれにくい
・遠くから近くまでスムーズに視線を移動できる
・外出時や手元を見る時など、様々なシーンで快適に過ごすことができる
◆デメリット
・単焦点レンズに比べて価格が高いことが多い
・レンズの周辺部に特有のゆれ・歪みを感じることがある
・慣れるまでに時間がかかることがある
累進レンズは、1本のメガネでも多くのシーンで活躍できる便利なアイテムです。
しかし、慣れるまでに違和感を覚える場合があり、特に階段の上り下り、足元が不安定な場所での使用には注意が必要です。
遠近・中近・近近(近用ワイドビジョン)の違い
累進レンズの中でも、用途によって「遠近両用」「中近両用」「近近(近用ワイドビジョン)」の3種類があります。
それぞれの特徴をご紹介します。

遠近両用は遠くから近くまでが見えるため、日常生活での使用に最適です。
車の運転や、ショッピングなどオールマイティに使用できることで、多くのシーンで活用されています。
その反面、遠くから近くまで1枚のレンズの中で度数が大きく変化するため、レンズの端にゆれ・歪みが出やすいというデメリットもあります。
また、遠くを見られる部分が広めに作られている反面、室内など中間を見る範囲はあまり多くありません。
室内での生活が主な場合は使いづらさを感じることもあります。

中近両用は、室内での使用に適したレンズです。
遠近両用に比べて手元の視野が広いため、自宅で料理やテレビを観る、オフィスでパソコン作業などを行う際に快適に使用できます。
遠くを見る度数はほとんど入っていないため、車の運転はできません。
手元~中間の距離が広く見られる設計になっているので、デスクワークや家事など室内で使用する場合に使いやすい設計です。
また、遠近両用に比べてレンズの中の度数変化が小さいため、ゆれ・歪みも抑えられる傾向にあります。

近近(近用ワイドビジョン)は、手元を広くはっきり見たい場合に最適です。
デスクワークや読書、手元で細かい作業を行う時などにおすすめの設計です。
単焦点レンズでは手元の本にしかピントが合わないのに対し、近近(近用ワイドビジョン)は「ワイドビジョン」と呼ばれる通り手元まわり全体が見えます。
こちらもレンズの中での度数変化が緩やかなので、ゆれ・歪みは中近に比べて更に軽減できます。
あなたにぴったりのレンズはどっち?
老眼鏡を選ぶ際、単焦点レンズと累進レンズ、どちらにすべきか迷いますよね。
どちらが快適に使えるかは、使用目的やライフスタイルによって異なります。
近くを見る時間が長く、メガネの掛け替えが苦にならないようであれば視界がクリアに見える単焦点レンズがおすすめです。
遠くから近くまで様々な距離を見ることが多い場合は、累進レンズがおすすめです。
累進レンズは慣れにくいと思われがちですが、老眼の度数が弱いうちから使い始めることで累進レンズ特有のゆれ・歪みに慣れやすく、とても使いやすいメガネレンズです。
老眼鏡は、上手に使うことで生活をより快適にできるアイテムです。
レンズの種類や特徴を理解して、自分にぴったりのレンズを見つけましょう!
老眼鏡の選び方|用途別おすすめレンズ
読書、モバイルには単焦点レンズ
読書やスマホを長時間見る方には、近距離に焦点を合わせた単焦点レンズ(いわゆる老眼鏡)がおすすめです。
手元作業に特化しているため、近くを見る目の負担を軽減できます。
特に長時間読書やスマホを見る場合は手元がクリアに見える手元用の単焦点レンズが快適です。
デスクワークには近近(近用ワイドビジョン)レンズ
室内を見渡したり歩き回ることもなく、デスクワークのみに特化したい方には近近(近用ワイドビジョン)がおすすめです。
近近(近用ワイドビジョン)は手元から1メートルほど先まで見えるため、パソコンも手元の書類も見たい場合などはどちらにもピントが合うため快適にデスクワークを行えます。
それ以上遠くは見えませんが、累進レンズ特有の視界の歪みは最小限に抑えられます。
オフィスワーク、室内向けには中近両用レンズ
大体3~5メートル先まで見られるため、オフィスワークや自宅での生活には中近両用がおすすめです。
パソコン作業が多いけれど、会議中にホワイトボードや周りの人の表情も見たい方には、手元だけでなくもう少し先まで見ることができます。
自宅でテレビや料理、スマホなど様々な距離を見たい方にも最適です。
ただし、遠くは見えないため車の運転などはできません。
最近ではリモートワークが増えたことで、需要が高まっているレンズです。
車の運転、外出時には遠近両用レンズ
遠くから近くまで様々な距離を見られるため、運転や外出時など日常生活での使用に最適です。
遠くの景色も、近くのナビも見ることができるため、運転時には遠近両用レンズを使うことで安全に運転ができます。
また、買い物で遠くの看板や店名を確認したり、手元で値段を確認するのにも便利です。
オールマイティに使えるため、最初の累進レンズは遠近両用という方が多いです。
レンズの機能とコーティング|快適に使うために
メガネを使う際、意外と見落としがちなのがコーティング。
快適に使うためにコーティングの種類を見直してみませんか。
UVカットコート
紫外線をカットすることで、眼の健康を守ります。
紫外線が眼に入ることで白内障などの疾患の原因になるといわれています。
現在流通しているプラスチックレンズにはUVカットされているものがほとんどですが、より眼の健康を守るためにはレンズの裏側に反射する紫外線までもカットできるコーティングも有効です。
まぶしさ、チラツキ、目の疲れにはブルーカットコート
ブルーカットコートは、スマホやパソコンなどの画面から発せられるブルーライトをカットします。
ブルーライトはまぶしさやチラツキを感じやすく、目の疲れの原因となります。
長時間スマホやパソコンを使用される場合は、目の負担軽減のためブルーカットコートがおすすめです。
レンズを長持ちさせる、キズが付きにくいコート
現在主流のプラスチック製メガネレンズはキズが付きやすいというデメリットがあります。
ホコリや砂粒などがレンズ表面に付着し、そのまま拭いてしまうことでレンズ表面に傷が入ると劣化の原因にもなってしまいます。
キズ防止コートをつけることで、メガネを長持ちさせることができます。
お手入れを簡単に!汚れに強いコート
防汚コートを施すことで、指紋などの汚れが付きにくく、ついてしまっても拭き取りやすくお手入れが簡単になります。
静電気防止効果があるものは、ホコリや花粉を付着させにくくすることができます。
汚れにくい、ということは拭く回数も減るので、結果的にはキズの付きにくさやレンズを長持ちさせることにもつながります。
曇りにくい防曇コート
防曇コートはレンズのくもりを防ぎ、快適な視界を確保できます。
特に寒い季節やマスクの使用時にはおすすめです。
老眼用メガネを購入する際の注意点
既製老眼鏡とオーダーメイド老眼鏡の違い
①既成老眼鏡
既製品の老眼鏡は、雑貨店や100円均一ショップなどでも購入できる、+1.00、+2.00など左右同じ同数のレンズが入った簡易的な老眼鏡です。
自身で見え方を確認して購入します。
◆メリット
・雑貨店、均一ショップで安価に購入できる
・急に必要になっても容易に入手できる
・コンタクトレンズ装用者や、普段メガネを必要としない方は使いやすい
◆デメリット
・矯正する必要がある方や乱視の強い方は、度数が合わず使いづらい
・黒目の位置とレンズの中心が合っていないため疲れやすい
・フレームの調整がされていないためかけ心地が悪い
・長時間連続して使用すると疲れやすい
②オーダーメイドの老眼鏡
眼鏡店で作成するオーダーメイドの老眼鏡は、視力測定を行うことで適切な視力矯正を行い、見たい距離に合わせて作ることができます。
フレームなども好みや顔の形に合わせて自由に選択できるため、使い心地は格段に上がります。
◆メリット
・自分の視力に合った度数のメガネを作ることができる
・見たい距離に合わせて調整されているため、長時間の使用でも疲れにくい
・好きなフレームが選択できる
・近視や遠視が強度の方、乱視の強い方にも対応できる
◆デメリット
・既成老眼鏡に比べ高価である
・メガネを受け取るまでに時間がかかることが多い
価格の違い
既成老眼鏡は、安い物だと100円から購入が可能です。
初めての老眼鏡として「とりあえず試したい」という場合は、抵抗なく手軽に始められるのが魅力でしょう。
しかし、フレームの耐久性やレンズのコーティングなど、品質が十分でない場合もありますので、すぐに壊れてしまったり、レンズに傷がつきやすいなど、長期間の使用には不向きな場合があります。
一方、眼鏡店で作成するオーダーメイド品は、既製老眼鏡に比べて高価です。
しかし、耐久性やレンズ性能、コーティング性能などが高く、また経験豊富な専門家に相談しながら、使いたい場面や目の状態に合わせたメガネを作ることができるので、価値のあるメガネを作ることができるでしょう。
一般的にメガネの寿命は3年程度と言われています。
長期間使用することを考えると、見え方やかけ心地が自分に合ったメガネを使うことで日々の生活を快適にすることができます。
フレームやレンズのグレードも様々なので、オーダーメイド品であっても価格帯は変わります。
眼鏡店で違いを相談し、ご自身のニーズに合った老眼鏡を選びましょう。
視力測定の重要性
視力測定を行うことで、自分に合った度数のメガネを作ることができます。
眼科や眼鏡店での視力測定は、正確な視力を把握するために重要です。
自身の視力に合ったメガネを使うことで、目の負担軽減にも効果的です。
また、視力測定を通じて目の健康状態をチェックすることもできます。
老眼は60代頃まで進行するため、定期的に視力測定を行って適切な度数に調整し直すようにしましょう。
まとめ|最適な老眼鏡を選んで快適な視生活を
レンズ選びのポイント
使用目的やライフスタイルに合わせて最適なレンズは異なります。
単焦点レンズと、累進レンズ(遠近両用、中近両用、近々(近用ワイドビジョン))のメリットやデメリットを理解し、ライフスタイルに合った種類を選びましょう。
迷ったら専門家に相談しよう
メガネを作る際はフレーム、レンズ、コーティング選びなど専門知識が必要なため、眼科や眼鏡店の専門家に相談しましょう。
「普段の生活でどんなことに使いたいか」、「困っていることは何か」など、メガネを使うシーンをしっかりと伝えることが大切です。
自身に合った老眼鏡を選んで、快適な老眼ライフをポジティブに過ごしましょう!