東海光学お客様相談室の水谷と申します。
このワンポイントアドバイスのコーナーで現在最もアクセスいただいているテーマは自身もその結果に驚かされた「新しいメガネにしたら違和感?」というテーマになります。新しいメガネに新調され快適な生活や自身のイメージが変わるという期待をもたれながら、実際に出来上がってきたメガネをかけたら「何かおかしいぞ」という感覚。テストレンズでは良かったのにどうしてといった疑問を持たれた方が非常に多いということでしょうか。
ご購入前に知っていただくことで未然に防げる内容もございます。その点はメーカーとしても情報の提供不足と反省します。申し訳ございません。
そこで今回は、日ごろ相談室にお申し出いただく事例をもとにもう少し掘り下げて情報提供させていただくことでそれぞれの違和感の原因に少しでも近づき、改善のお手伝いやご購入時の参考にしていただければとの思いで書かさせていただきました。
見え方の違和感とは一体どういう状態なのでしょうか?前回も説明させていただきましたが、一般的には今まで見慣れていた見え方と比べ、変わって見える部分をおかしいと脳が感じてしまうことを言います。でもその違和感も、しばらくかけていただき慣れていただくというような心配のない違和感と、ご購入店や眼科で早急に点検が必要な違和感がございます。またそのレンズの特徴を知っていただくことでうまくそのレンズとお付き合いいただける場合もございます。
それではその違和感を症状別にそれぞれ考えられる原因とその対処法をアドバイスさせていただきますので参考にしてください。
今回レンズにミラー加工をした。実際にかけてみると無色レンズなのに白っぽく見え、クリア感がなくなった。
<原因>
ミラー効果が裏面にも表れ白っぽく反射して見えたため
<解説>
ミラー加工はレンズの表面にコーティングしていますが、その下地の状態によりそのミラー反射は変化します。またそのミラー効果が裏面に出てしまう場合がございます。
例えば全く透過しないものの上にミラーコートをしたらミラー反射は最も強く出ます。
レンズで言えば85%程度の濃いカラーの上にミラーコートをすると表面に強いミラー反射は出ますが、裏面にはほとんど反射しません。しかし薄いカラーや今回のように無色レンズにミラーコートをすると表面のミラー反射が弱くなり、逆に裏面にもその効果がでてきてしまいます。その影響で白っぽく見えるというものです。
またミラー反射はレンズカラーだけではなく、かけている環境によっても変わります。たとえば夕方以降周りが暗くなるとレンズに濃いカラーを付けた状態と同じになりますのでミラー反射は強く見えたりします。
下の写真は無色のレンズにゴールドミラーを施した同じメガネになりますが、黒いものの上に置くとミラー反射が強く、白いものの上に置くとあまり反射していません。
下の写真は上の写真のメガネの内側を角度を変えながら写したものになります。実際にかけた状態は自身の顔でカバーしますのでここまで反射しませんが、それでも気になってしまうと思います。
このようにレンズにどんなカラーを付けるかどうか、あるいは環境の違いなどによりミラー反射が変わったり、裏面にもミラー効果が出てしまうこともありますが、使用されている方はその点はご承知でそのミラーの反射の違いをおしゃれなメガネとして満足されている方も多いことを付け加えさせていただきます。
※参考 ミラーレンズの体験談
今回サングラスっぽいフレームで作りました。かけてみると丸いものが楕円に見えたり、線が曲がって見えたりしてかけられません。
<推定原因>
カーブの深いフレーム形状の影響により歪曲して見えている
<解説>
乱視度数を強くされたりすると曲がって見えることもありますが、今回のポイントはサングラスっぽいフレームにされたという点になります。普通のフレームに比べ顔の形状に沿ってカーブしているフレームの場合は、同じ度数のレンズで入れ替えたとしても違和感を感じる場合がございます。
メガネフレームを上から見ていただき、新しいメガネのほうがカーブがついている場合、下の写真のようにレンズ面が通常真正面を向いているのに対し外側に向いてしまいます。
正面を見るときにはレンズを斜めで見ることになり近視度数の場合はレンズの鼻側は強めの度数に、また耳側は弱めの度数になるため、真正面のものが凝縮したように見えたり、横目で見た周辺部が歪んで見えたりしてしまいます。この場合は眼鏡店で、フレームデザインが変わってしまいますが、角度を調整していただくことで解決する場合もございますが、フレームを壊してしまう可能性もありますのである程度しかできません。尚、カーブの深いデザインのメガネフレームを選ばれた場合にはレンズカーブを合わせるだけではなく、フレームのそり角を考慮した設計のメガネレンズであればデザインを損なうことなく快適にお使いいただけます。
但し、そのようなレンズであっても限界はありますので、特に強度の方の場合は、少しカーブも少なめなフレームをお選びください。
尚、このような症状は強度であるほど、またフレームカーブが深くなるほど起こる可能性が高くなりますが、弱度の方は専用のレンズではなくカーブを合わせただけのレンズでもあまり違和感なく快適にお使いになられている方も多く見えます(慣れが早いのかもしれません)ので、カーブフレームを希望される方は一度店舗にご相談ください。
※参考 カーブフレーム専用レンズの体験談
新しいメガネにしたらよく見えない?
<推定原因>
色々な可能性が考えられるため特定は難しいものになります
<状況別対処法>
(1) 遠近両用や中近あるいは近近など度数が変化するタイプで手元が見えない
手順1. レンズの設計は上部から下部に向かって度数変化していることを意識していただき、顔を動かさず視線だけまず下に移動しレンズの下部で新聞などご覧ください。
手順2. 視線を少しだけ上下させたり新聞の距離を近づけたり遠ざけたりして見やすい位置をご確認ください。見える位置は必ずあるはずです。
かなり離さないと見えない場合や日頃ご覧になる位置より距離が違う場合はまずはご購入店でその状況をお話しください。フレームの調整で改善できるものもございますし、それでも改善されない場合は、度数調整が必要と判断されるかもしれません。ただ、当初度数を決められた背景はご自身の見え方などのご感想などで判断されています。
(2) 遠近両用タイプで遠くがぼけて見える
手順1. 顔はまっすぐ正面を見て少し顎を引いていただき視線だけ少し上目で見てください。
手順2. 遠くの距離を変えながらよく見える位置を探してください。
手順3. もう少し見えたほうがいい等ございましたらご購入店にご相談ください。ただ、あまり見えすぎる度数のメガネでは逆に疲れてしまうメガネになる可能性もあり、少し弱めの度数にしている場合もございますのでその点もご確認ください。
尚、初めて遠近両用をおかけになった場合の違和感につきましては以下をご覧ください。
→ 初めての遠近両用レンズでの違和感について
(3) 度数が一つのレンズ(単焦点レンズ)でよく見えない
レンズの度数により焦点距離は変わることを意識していただき、距離をいろいろ変えながら焦点の合うところをお探しください。もし、見える距離がイメージと違う場合はご購入店にご相談ください。
(4) 単焦点レンズで物が曲がって見える
症状2のようにカーブフレームにされたり、あるいは大きいフレームにされたり、あるいは度数(乱視度数も含む)を強くされたりした時に起きることが多い現象です。フレーム形状が今までとあまり変わらないようであれば度数を変えられたことが原因かと思います。ただこの場合、しばらくかけてみて慣れるようであれば心配ありませんが、かなり気分が悪くなる、あるいは長期間経っても慣れないようであれば度数調整が必要と思われますのでご購入店にご相談ください。
※ご販売店様へのお願い
すでに心がけて対応されているお店につきましては必要ないお願いにて恐縮ですが、新しいメガネで違和感を訴えられる方は意外に多くおみえになります。多焦点レンズを初めてお使いになる方だけではなく、どのようなレンズであってもお渡し時には必ず時間をかけて見え方のチェックをしていただきますようお願い申し上げます。
弊社のホームページ(特にこのワンポイントアドバイス)が少しでも皆様のお役にたてばと願っておりますが、何かご意見やご要望、ご質問などございましたらご連絡下さい。
尚、お客様相談室ではご希望商品のお取扱店もご案内しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
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2016年 2月 初版