お客様相談室からのワンポイントアドバイス
ホームお客様相談室からのワンポイントアドバイス › 手元を快適に見る新型遠近両用レンズ(アイケア仕様)の実力

東海光学お客様相談室です。

今回、2015年11月に新しいコンセプトの遠近両用レンズ「ベルーナ エナジー」を発売しました。せっかくなので今話題の「ルティーナ」と「ブルーライトカットコート」も盛り込んだアイケア仕様にし、それぞれの使い勝手も合わせてレポートさせていただきます。

ずっと健康であるためにもっとメガネにできること健康な毎日をささえるアイケアデザイン

まず新しい遠近両用レンズのコンセプトですが、40代の方でいわゆる遠近両用が初めてという方がお感じになる手元を中心に「よりはっきり見たい」というご要望と、60代の遠近両用上級者の方がお感じになっている強い加入度(遠くと手元の度数差)からくる手元の狭さの不満と「手元への視線移動をもっと楽に」というご要望、それぞれの年代別ニーズを一つのレンズで同時に応えるために人間工学に基づいた独自設計と新コンセプトとを融合させました。

その開発過程を受け売りですがもう少し説明させていただきます。

まず手元への楽な視線移動を実現するために弊社近用ワイドレンズで採用した20°下で最も自然な下方視になるという考えを継承し、アイポイントから9ミリ下に手元の度数を設定しました。遠近両用タイプでは非常に短いタイプになります。

しかし、度数変化帯(累進帯長)を短くすることは一般的な度数変化帯の長いタイプに比べ揺れ歪みが大きくなってしまうデメリットもでてきてしまいますので、今回のレンズは短い度数変化帯でありながら、一般的な遠近両用レンズに比べても遜色のない揺れ歪みの少なさを実現することを目指しました。そしてついに40代の低加入度の遠近両用初心者にお勧めの慣れやすさ、60代の高加入度の遠近両用上級者におすすめの手元の広さに応えた、いわゆる2つの世代に向けた独自コンセプトのレンズが出来上がりました。

尚、今回はこのレンズに最近注目されている「ルティーナ」の素材を、またコーティングにはブルーカットコートを施すなどアイケア仕様にし、それぞれの使い勝手もレポートさせていただきます。

【参考】

「ルティーナ」は酸化ストレスやルテイン(色素)劣化に影響を与えるHEV(400~420nmの光)を約94%カットすることでルテインを保護し、加齢性黄斑変性症などの眼疾患予防に期待できる素材であり、「ブルーカットコート」はパソコンやスマホから発するパワーのあるブルーライトを反射により抑える機能を持ったコーティングになります。

私は60代の手前のため60代の方が必要としている加入度数よりも少し弱い度数になりますが、常にデスクワークのためパソコン画面と手元の資料を少しでも楽に見たいということで遠近両用も中間から手元の広いタイプであるレゾナスフィットというレンズにし、それでも疲れてきたら中近タイプのレゾナスプレッソというレンズに掛け替えたりしています。今回のレンズが私にとって価値観を見出すことができるか正直疑問もありますが、早速試してみましょう。

まずはかける前にBCCの反射光やルティーナの素材色等見栄えを比較してみましょう。


ルティーナ エナジーHX BCC(ブルーカットコート)

通常の反射防止コート(上)とBCC(下)の反射光比較

やはりBCCのほうが反射光は強く出ます。

通常のHX(屈折率1.6)とルティーナHX(下)の側面比較

レンズの側面を見ると普通の1.6の素材は少し黄色いのに対し、ルティーナは少し紫がかっています。
※光源により色調が異なる場合があります

通常のHX(屈折率1.6)とルティーナHX(下)の正面比較

下のルティーナのほうが少し黄色味がかって見えます。短波長カットの効果でしょうか。
※光源により色調が異なる場合があります

まずデスク回りを見てみます。


驚きました。

まず手元の資料とキーボードが今までの遠近両用で見たときよりも大きく見やすく感じました。この見え方は中近タイプに近い感じがします。ただ少し斜め外側下方向がぼけますので今までの遠近や中近よりも斜め下方向の視野が少し狭いものになります。また視線はまっすぐ下の1点を見たまま顔を左右に動かすと少し浮き沈みを感じます。今までのタイプよりも周辺部の度数変化が大きくなったためかと思いますがそれほど気になるものではありませんでした。

パソコン画面に視線を動かすとちょうどピントはあっています。度数変化帯が短いので遠くに必要な度数で見ることになりきっと過矯正ぎみで見えにくいのではと、またパソコン画面の外枠が上に向かって小さく見えるいわゆる台形に見えるのではとの先入観は吹っ飛びました。見え難さや違和感は全く感じません。

次にデスクの位置から周りを見てみます。

視線だけ左右に動かしました。斜め上方向の天井と壁との境あたりが少し湾曲して見えますが、それほどの違和感は感じません。水平方向に関しては特に揺れ歪みは感じませんし度数の不足もあまり感じませんでした。

立ち上がって歩いてみます。

今までよりも床が大きく見えるので距離が少し近い感じがします。また真下と周辺下との距離感が少し変わるため少しふわふわ感を感じます。あごを少し引いてレンズの真ん中あたりで見るとおさまりました。これはどうなのかと思いましたが、1時間かけ続けていたらその違和感もあまり感じなくなりました。

手元が今までの遠近よりも少し大きく見えたことと歩いた時のふわふわ感を考えると、このレンズにするには加入度数は必要以上にあまり上げないほうがいいかもしれませんね。その点は実際のテストレンズでご確認いただければと思います。

以上が新しいメガネをかけた感想になりますが、あごを上げなくでも手元が見えるという姿勢の楽さ加減や左右のボケはあっても歪みの少ない手元の見え方にはかなり満足感はありました。

弊社のホームページ(特にこのワンポイントアドバイス)が少しでも皆様のお役にたてばと願っておりますが、何かご意見やご要望、ご質問などございましたらご連絡下さい。

2015年 11月 初版
2024年 1月 更新

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