東海光学お客様相談室の水谷と申します。
今回は今真っ盛りのスキー・スノーボード時にはどんなメガネがベストかにつきましてレポートさせていただきます。しかしながら子供も大きくなってしまった私には最近は雪山に行く機会もないので、非常に残念ですが今回は特派員に使命を託し、色々なメガネを試してもらいました。
それではまずスキーやスノーボード時に、求められるメガネの条件とは何かを整理し候補のレンズを絞り込み、チェック内容をすりあわせし、実際に試してもらいました。
1. 紫外線カット機能
この機能はほとんどのレンズが可能になりますので基本条件になります
2. まぶしさ軽減とギャップ認識(コントラスト)機能
候補(1)普通のサングラスカラーレンズ(ミラー加工選択可)
候補(2)偏光レンズ(ミラー加工選択可)
候補(3)遮光レンズ(遮光オーバーグラスの使い勝手を試してみます)
候補(4)調光レンズ
チェック項目
(1)全体的なまぶしさ軽減度
(2)照り返し軽減度
(3)ギャップの識別
(4)曇り状態での視認性
(5)休憩ルームでの使い勝手
それでは体験レポートになりますが、あいにくゲレンデは曇り空とのことでその状況での報告内容になりますが、体験を終えた特派員の第一声は「CCP400 ACには感動した!」とのことでした。何に感動したかを具体的に聞いて見ると「ギャップのでこぼこがくっきり見えるというよりもコブ部分が浮き上がって見え、3D映像のようだった。それが遠くの下のほうまで見えるので非常に滑りやすかった」とのことです。ACカラーは黄色系の色でコントラストを上げる効果はわかっていましたがこれほどの効果があるとは思っても見なかったとも言っていました。
AC
それでは以下彼のレポートを掲載します。
(1)全体的なまぶしさ軽減度
- 遮光カラーはすべてまぶしさを軽減できた。長時間かけるほど裸眼に比べて目が楽。
- ACやLYの黄色系は長時間(半日以上)かけて、外すと裸眼での見え方にはじめ違和感がある。青みが強く感じる。数分で感じなくなる(補色作用)。
- 調光レンズはMAX濃度でサングラスと同様軽減される。グレーは自然な見え方。
- 偏光レンズは軽減されるが曇天は暗く感じた。
LY
(2)照り返し軽減度
- 車での移動時、雪道の路面反射した光が入る。偏光レンズが良い。
- 調光レンズでも軽減されたが濃度が上がらず(50%程度)カラーサングラスと変わらない。
- スキー場での晴れ間はごくわずかだったが、その時は偏光、調光(高濃度時)、TRは良い。ACはまぶしい。(かけないよりは、ましな程度)
TR
(3)ギャップの識別
- ACが一番良い、抜群。ギャップ(コブ)が立体的に見える。ギャップの影の部分(境目)がはっきり見え、もりあがった部分(コブ頂点)が浮き出て見える。また、急斜面でも遠くまで認識でき、普段より安心して滑ることができた。
- 遮光オーバーグラスでは黄色(オレンジ)系統は非常に良い。TRは全体的に暗くなり、コントラストは上がるがコブには不向き。
- 偏光レンズはギャップの識別ができる。照り返しが軽減されるが光量が落ちて慣れるまでに時間がかかる。
- 調光+ビューナルACをかけたが調光濃度が濃度50%ほどで落ち着き上記ACの見え方が加わり、晴れた時に重宝した(ビューナルは紫外線をカットするので先に調光レンズを濃く調光させたあとオーバーグラスをかけました)。
調光+AC
(4)曇り状態での視認性
- ACが良い。LY、OYの黄色系は明るさ、コントラストを含めて視認性が向上した。濃い遮光レンズは暗くて。不向き。
- 偏光レンズはそれほど暗く感じず滑るのにまったく支障がない。
- 調光レンズは濃度がほぼMAXになるが偏光同様支障がなく滑れた。(気温と湿度に影響?)
OY
(5)休憩ルームでの使い勝手
- 調光レンズは便利で非常によかった。
- カフェテリアで入口のメニューを見るときは暗かった。室内に入り着席までの2~3分で薄くなった感覚があり、席に着きメニューを見るころには無色に戻っていた。
- MAX濃度からほぼ無色に戻るまで上記条件で4~5分かかる。(3回試した)
- 外に出て曇りでもMAX濃度まで1分強2分かからない。
- 遮光オーバーグラスはレンズが曇るのですぐ外した。室内では機能以上に見た目に違和感があり外した。
屋外での調光レンズ
室内での調光レンズ
その他
- オーバーグラスタイプはかけ易さが便利だった。常にACをケースから出しポケットに入れ、それほどかさばらずにその場でかけられるのが良い。
- オーバーグラスをゴーグルの代替えで試みた。ゴーグルより密封性がないため曇らない。思ったより風よけになった。小雪、多少の風雪は問題なくかけられるが、湿った雪や強い風はゴーグルに負ける。
総合
- ACを常用として持つ。(曇り天候、ギャップ等に適するオールマイティ)
- 調光レンズは基本の一本としては勧められる。
- 偏光レンズは基本の一本にはならない。複数所持が必要。
- 遮光オーバーグラスは滑るシーンや条件によってかける。ぱっとかけられ苦痛ではない。
以上になります。私は何もしていないので今回は楽をさせていただきましたが、”私もスキーに連れてって!“といった感じです。
関連記事「 ~ 遮光・偏光オーバーグラスとお子様用オーバーグラス ~」もご覧ください。
このような体験談を通し、眼鏡作りに悩まれている方に少しでもお役に立てばと願っておりますので、ご質問やリクエストなどございましたらご連絡ください。どうかよろしくお願いします。
2011年 1月 初版
2023年 7月 更新