東海光学お客様相談室です。
前回はシニアレンズの中でも“中近レンズ”につきましてレポートさせていただきましたが、今回は“近用ワイドビジョンレンズ”をモニターしレポートさせていただきます。
一般的にシニアレンズと呼ばれているタイプとしましては、境目のない“遠近両用タイプ”がございます。遠くから近くまでの焦点を合わせる度数を一つのレンズ内に入れ込んでいますので非常に便利ですが、どうしても3~4メートルあたりの視野が狭くゆれを感じたり、お手元をご覧になるにはあごを上げながらレンズの下のほうで見ていただくという不自然さがございますし、お手元も広く見えるとは言えません。そこで遠く用の度数をなくすことで中間距離の視野を広げ、お手元もあごの引き上げを減らした楽々設計での室内専用中近タイプを、そして遠方・中間距離とも省き、お手元をより広くまた老眼鏡よりも奥行きを持たせたデスクワーク専用の近用ワイドビジョンタイプを弊社では開発しております。
室内用メガネ
近用ワイドビジョンタイプ
デスクワーク中心の私にとって今回の近用ワイドビジョンレンズは、前回の中近レンズに比べ、楽に見えるのか、使い勝手は、はたしてどうなのかが今回のポイントです。
まず近用ワイドビジョンレンズをかけてみての印象は
手元の書類がすっきり広く見える
初めて中近タイプを試した時に感じたような「楽に見えるなあ」というのが最初の印象です。本読みをする場合は、中近タイプよりも視野が広く楽かもしれません。
パソコン画面が見やすい
パソコンをする場合は、顔はあごを少し引き気味の状態で視線の上下移動だけで画面と手元に置いた書類どちらも良く見えます。中近タイプではあごをわずかですが少し上げ気味で画面をみますので、こちらのほうが自然体と言った感じですし、画面も非常に見やすいです。そしてデスク周りを見るだけなら上体を動かすことなく全体を見ることができますのでデスクワークでの不自由さは感じません。
2メートルほど離れたところから少しぼけて見える
お互いの机をはさんだ私の対面に座っている人の顔が少しぼけて見えます。壁にかかっている時計もぼけていますが、時間は判断できます。自宅に帰ってテレビを見たらぼけていて誰が映っているのかまでよく認識できませんでした。
遠近両用タイプをおかけの方で中近タイプや近用ワイドビジョンを検討されている方へのアドバイス
- オフィスなどであまり席を離れず、長時間パソコンをされる方は、中近タイプよりも、より自然体で広く見ることができる近用ワイドビジョンが圧倒的に楽です。席を立たれるときは遠近両用タイプにかけかえましょう。
- お仕事でちょっとしたミーティングなどに出席されることが多い方は、4メートル前後のホワイトボードの字もお手元の資料も見ることのできる中近タイプをお勧めします。デスクワークの時間のほうが長いとは思いますが、そのままミーティングにも出席できますし、周りの状況も確認できますので近用ワイドビジョンよりも軽快に振る舞えます。
- ご自宅でテレビを見ながら新聞も読まれる方は遠近両用よりも中近タイプのほうが広く楽に見えます。遠くを見ることもないので不自由さは感じません。長時間お手元を中心に本読みなどされる方は、やはり近用ワイドビジョンのほうが楽ですのでご自宅では遠近両用タイプとの併用をお勧めします。
- 遠近両用タイプだけでもデスクワークはできますが、中近タイプや近用ワイドビジョンを一度でも試されるともう手放せなくなりますのでご注意ください。
以前より使っている遠近両用に加え、シニアレンズと呼んでいるいろいろなタイプを実際に体験することで、どうしようか悩まれている方へのアドバイスに深みがでてきたような気がします・・・!?
それぞれのタイプにはメリットもデメリットもございますので、皆様の使用環境を考慮されながらベストなタイプをお選びいただき、是非快適な視生活をお過ごしください。その際、わからないことなどございましたらお気軽にお客様相談室までご連絡ください。実体験からアドバイスさせていただきます。お待ち申し上げております。
2008年 10月 初版
2024年 1月 更新