東海光学お客様相談室です。
今回は前回の文末で少し触れた通り、アクティビューカラーのもう1種類、「ナイトドライブ」をご紹介させて頂きます。
運転中に眩しいのは昼間だけではないと私個人としても普段より思っています。
暗い道路での対向車のヘッドライトや雨天時の走行など、思わず目を細めていることもしばしばあります。
窓口にも夜間運転時の眩しさをご相談いただくことがあります。以前このワンポイントアドバイスでも「夜間運転向きレンズ」を取り上げました。
※参考:夜間運転向きレンズ
※参考:夜間運転向きレンズその2
(イメージ写真)
この新しいアクティビューナイトドライブカラーは特殊な染料をレンズに練り込むことで、眩しいと感じる2箇所の波長400nm~450nmと550nm~600nm(グラフ上黄色の部分)の光をカットし、明るさを感じる450nm~550nm(グラフ上紫の部分)の光を通すことで、視界を暗くせずに、眩しさをカットしています。
※横に波長を表し、380nm~780nmの可視光域での透過を相対的に表しています。
グラフが下に行くほどその波長をカットしているということになります。
★ナイトドライブの色味
装用者の目元の変化を極力抑えているので、屋内でも比較的自然にお使いいただけます。
濃度は15%程の優しい色目です。ただ注意点として、防眩効果を発揮するように作っているため、光源(蛍光灯・太陽光等)によって、レンズの色が違って見えます。
例えば夜間運転時には黄味が少し強めの薄い黄緑色ですが、特にハロゲン灯のような黄色が強い光源によっては赤味が強く出て、レンズ全体がピンクに見えます。
※写真ですと、現物とまた少し違った色に写ってしまいました。これが色調不良ではないかとお問い合わせを頂くかもしれませんが、夜間時に効果を発揮させるための特有な現象になりますのでその点はご了承ください。
★見え方を比較しました(雨天時)
夜間の雨天は視界も悪く、道路面も反射してさらに眩しく感じます。
運転の際に条件の悪い夜間雨天時にて、3種類のレンズの見え方を比較しました。
※今回は結果をわかりやすくしたかったため、一番右のカラーレンズは本来夜間運転不可の50%のグレーカラーで比較しております。尚、今回使用しました写真につきましてはカメラ自体の補正もあり実際の見え方とは異なります。
この3つを比較すると、ナイトドライブ使用時が車のテールランプの光が広がっておらず、くっきり見えていることがおわかり頂けるかと思います。
★弊社社員が使用した感想
- 顧客センター:Kさん(20代女性)
「対向車のヘッドライトもですが、以前から看板の白い光が眩しくて気になっていました。でもナイトドライブをかけたら少し黄色味がかった柔らかい白色になって、仕事終わりの疲れ目にはとても優しいかけ心地でした。もちろん信号機や白線はしっかりと確認できました!正直なところ、対向車のヘッドライトの眩しさがなくなったら、対向車に気付くのが遅れて危険ではないかと心配がありましたが、そのようなことはなく逆に眩しさが抑えられることで周りの見えにくかった景色がしっかりと見えました。」
- 顧客センター:Aさん(40代男性)
「掛けた時の感覚がとにかく楽でした。前方の視野に入る街頭、ハロゲン灯、飲食店の看板等、街全体の光が優しく感じられました。すれ違う際の対向車のライトの眩しさはそれほど軽減しませんでしたが、信号待ちの対向車のライト、LED信号の光の眩しさは抑えられ、楽に運転できました。また、夜間掛けたままでもコンビニ、パーキングなどに入れます。ただ、雨の日はあまり効果を感じなかったですね。」
- 顧客センター:Sさん(40代男性)
「自宅から運転してナイターのサッカー観戦に行きました。昼間にナイトドライブをかけて運転しました。裸眼に比べ光量が若干落ちたことで楽には感じましたし、くっきり感も感じましたが、やはりサングラスほどの効果はありませんでした。それに引き替え、ナイターのサッカー観戦は、ピッチの緑が映え、ボールの白さがとても際立ってとても見やすかったです。コントラストが高まり、サッカー観戦者としてボールを追うことにストレスを感じにくく、試合に集中できました。夜間運転はワンボックスなどに使われているライトに対して眩しさの軽減を感じることができました。」
ナイトドライブは、ナイター観戦、コンビニ、パーキングなど夜間運転以外でも様々なシーンで使用できることがわかりました。
みなさんもナイトドライブをかけて一味違った町並みで夜のドライブを楽しんでみてはいかがでしょうか?
★<お客様相談室水谷からの補足説明>
ナイトドライブのモニター評価
弊社は発売に先立ちタクシードライバーの方々にモニターしていただきその御意見もお伺いしました。以下その弊社調べの結果をまとめました。
- 77%の方が対向車のライトのまぶしさが軽減されたと感じ、防眩効果を実感されました。
- 信号機が見やすくなったが56%で、半数以上の方が視認性の向上をお感じになりました。
- 88%の方が初めてかけて運転した印象を良いと評価、数日かけた総合評価でも85%の方が良いとの高評価をいただきました。
タクシードライバーというお仕事は接客業でもありますので色付きのメガネはかけられませんが、このナイトドライブは色も薄いということも評価ポイントになっているようです。
CCP400「AC」との違いについて
従来より夜間運転時のまぶしさ対策としておすすめしてきました黄色系のCCP400「AC」については短波長のカット率が高いのでヘッドライトのまぶしい光を優しい光にする効果は高いですが、明るく感じる中間波長は多く透過するため昼間では眩しさが残る感じがします。それに比べこのナイトドライブは明るく感じる中間波長域の一部をACよりもカットしていますのでACよりも昼間は使いやすいかと思います。
ナイトドライブは短波長等のカット材をレンズ素材に練りこんでいるためレンズの厚みで濃さが変わってしまいます。よってあまり厚くすると夜間運転に使用できなくなってしまいますので、製作範囲も通常のレンズよりも狭くなります。もし製作できないと言われた場合はCCP400「AC」をご検討ください。
お客様相談室では、このような体験談を通し、眼鏡作りに悩まれている方に少しでもお役に立てばと願っておりますので、ご質問やリクエストなどございましたらご連絡ください。どうかよろしくお願いします。
2014年 10月 初版
2024年 1月 更新