メガネレンズ
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ホームお客様相談室からのワンポイントアドバイス › クラフトレンズその②「ダブルレンズ」のご紹介

東海光学お客様相談室です。
あらためて「クラフトレンズ」についてお伝えします。

↓前々回の記事では強度近視に対応する「ツボクリ」加工についてお話ししました。

今回はツボクリでも対応できない強度の近視や乱視の度数に対して、もっと幅広く対応できる
ダブルレンズ(両凹レンズ)という加工をご紹介いたします。

ダブルレンズについて

通常のメガネレンズは、表面は凸もしくはフラットで裏面が凹形状になっています。
これを「メニスカスレンズ」と呼びます。
対して、表も裏も凹もしくは表も裏も凸形状になっているレンズを「ダブルレンズ」といいます。

側面から。表裏均等にカーブがつきます。
角度を変えてみました。

先の記事で、基本的にメガネレンズの度数は表カーブ-裏カーブとお話しました。
仮に-20.00のレンズを作ろうとした時、メニスカスでは表をフラット(0カーブ)とすると
裏に20カーブつけることになります。
Wレンズでは、表を凹に10カーブ、裏も10カーブつければ-20.00が表現できます。

メニスカス
ダブルレンズ

これぐらいの度数ではプラスチックでもできますしダブルにするメリットはないのですが、
この原理を用いて、メニスカスでは表現しきれない度数をつけることができるのです。

ダブルレンズの構造

例えば、S-23.00 C-3.00といったような、超強度に加え乱視が入った度数。
まず裏面でS-23.00を作り、表に乱視のC-3.00を入れる、という形になります。

他には、S-40.00のように極端に強い度数の場合。
表-20、裏も-20で理屈上できますが、とんでもなく厚いレンズになりとても掛けていられません。
ここで活躍するのが、前回ご紹介したツボクリの技術なのです。

仮に表裏ともに20カーブをつけたとすると、このようなイメージになります。
さすがにメガネにできそうな雰囲気ではありませんね…。

では表裏ともに20カーブをつけたうえで、ツボクリの原理で内径を落としていきましょう。
もちろん度数が度数ですのでそれなりの厚みは出ますが、先の図よりかなり薄くなりましたね!

点線の部分を削り落とし、ツボクリ形状にします。

この原理でもっと強い度数、例えば-100.00を作るとすると、より強いカーブが必要になります。
本来ならば厚みの観点から物理的に困難なのですが、以下のように小径のツボクリにすることで
視野は極端に狭くなるとはいえ製作が可能
になるのです。

度数は違いますが、以下の写真のようなレンズです。

これまで最大で-280.00というレンズをこの工法で製作しました。
とてつもないカーブで研磨する必要があるため、内径はたった10mm!

貴重なレンズなので手袋着用です!

性質上非常に稀なケースではありますが、本当にお困りの方にとってこうした技術がお力になれる
ことがあります。

何よりも凄いのは、この計算から研磨まですべて人力で行っているところです。
両方から削り込んで、中央部分ではわずか1mm程度の厚みで仕上げる。
東海光学が誇る、唯一無二の職人の技術です。

まとめ

2回に分けて超強度の近視に対応するクラフトレンズについてお話させていただきました。
職人の手によるクラフトレンズには、他にも様々な種類があります。

↑こちらの公式ブログでも紹介しておりますのでぜひご確認下さい。

昨今ではガラスレンズの需要は非常に少なくなっておりますが、このようにガラスでなければ
実現できないことが多々あります。
なにかお困りの際は、東海光学の「クラフトレンズ」を思い出して頂けると幸いです。

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