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ホームお客様相談室からのワンポイントアドバイス › 体験レポート~可視光線でも色の濃さが変わる調光レンズ~

東海光学お客様相談室です。

今回は2013年4月発売の可視光反応型調光レンズ“ベルーナHXトランジションズ エクストラアクティブ”を2014年4月リニューアルした紫外線反応型調光レンズ“ベルーナHXトランジションズS(シグネチャー)”と比較しながらレポートしていきますので、どちらがいいのか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。また、並行してレポートしました紫外線反応型調光レンズの体験レポートもご覧ください。

それではまず可視光反応型調光レンズの特徴をご説明させていただきます。

  • 一般的な紫外線で反応するタイプとは異なり、可視光線にも反応しますので紫外線(UV)カットガラスに覆われた車の中でも状況によっては中程度の濃度に着色します。また屋内でも明るい場所では薄く色付いた状態になります。
  • 紫外線タイプと同じく気温の影響を受けやすいので、気温が低いほど着色しやすく、気温が高いほど着色しにくくなりますが、夏季でも紫外線タイプと比べると若干濃くなります。
  • 紫外線タイプよりも濃く変化しますが、色の戻りには時間がかかります
  • カラーはグレーの1色のみになります。
  • レンズ素材は屈折率1.60の高バランス高屈折率素材(新UVカット標準仕様)で単焦点レンズと遠近両用レンズ(レゾナスタイプ・レゾナスフィットタイプ)のみになります。
  • 汚れを防ぐ快適コーティングのプロガードコートとUVカット機能が標準仕様となっています。

この体験レポートでは紫外線調光タイプに比べ可視光線反応型は実際どう違うのかを検証していきます。たとえば屋内外の環境の変化に実際どれくらい順応していくのか?特に車内や室内ではどのような変化がおきるのか?などです。尚、今回は紫外線反応タイプ(2014年4月リニューアル)の「ベルーナHXトランジションズシグネチャー グレー」とはできる限り同じ環境下での変化の違いを比較したかったので1つのフレームに左右別々のタイプを入れて確認しました。

※可視光タイプは室内の光にも反応したようで少し着色しているようです

それではレポートします。

装着時の気候 晴れ、気温19.2℃

1.室内から屋外へ

5秒

15秒

30秒

60秒

3分後

どちらも速いスピードで変化していきます。30秒まではエクストラアクティブのほうが濃く見えましたが、1分後には若干エクストラアクティブのほうが濃いという感じです。3分後もあまり変わらないので同じタイミングでそれぞれのピークに達したように見えます。よってピークまでの着色スピードは変わらない印象と、色合いはエクストラアクティブのほうが黒っぽいグレーといった感じでしょうか。しかし左右目を交互に閉じてみると右目のほうが暗く感じるので右のほうが濃いのかもしれません。

ためしに白い紙の上においてみたらエクストラアクティブのほうが濃く変化していることがわかりました。色目も少し違っています。

2.屋外から室内へ

30秒

60秒

3分

5分

8分後

写真ではあまり変わらないようにも見えますが、エクストラアクティブのほうが戻るのに時間がかかるようです。着色と同じでどちらも戻るスピードは変わらないが、濃い分だけ遅く見えるといった感じです。やはりどちらも着色時間に比べるとかなり時間がかかるようです。尚、どちらも室内にいたとしても採光のある窓際であれば、ある程度着色しますのでその点はご考慮ください。

3.車の中

可視光反応型はどれくらい変化するのか、それに比べ紫外線反応タイプはあまり変化しないと思われるが実際どうなのか試してみます。

①クリアな状態からの変化を見るため車中でメガネケースから出してかけました。

最初はできるだけ自然な状態での変化を見ます。

直接太陽は当たっていない状態で約1分です。

②その状態で3分ほど待ちます。

あまり変化しませんでした。これ以上にするには直接太陽があたらないと変わらないのではと思い、ダッシュボードの上に置きました。

③ダッシュボードの上に放置して、1分。

UVカットガラスでありながら、紫外線反応型も変化したようです。驚きです。以前のタイプは全く変化しなかったのですが、リニューアルしたタイプでは紫外線領域から少し踏み込んだ可視光域の一部まで反応するようになったのかもしれませんが、エクストラアクティブはそれ以上に変化しました。しかし直射日光があたらない状態での普通の姿勢に戻すと濃さはまた元に戻っていきました。

以上のことより、直射日光の当たりにくい車内ではエクストラアクティブでもそれほど濃くはならないこと、紫外線反応型のシグネチャーでも場合によっては変化することがわかりました。

4.その他

左右タイプの違うレンズが入ったメガネをはずし、レンズの裏側から太陽光があたるようにして反応を見てみました。これも予想どおり紫外線反応タイプは可視光反応型ほど色が変わりませんでした。これは調光機能をレンズの表側に施してありますので、裏側から入った紫外線がUVカット材の入っているレンズ素材でカットされ表面の調光機能部分にまで紫外線が届かず、周辺部からの反射のみで変化しているのに対し、可視光タイプは紫外線以外の光でも反応するために色がかなり変化しました。どちらも紫外線カット機能は同じですが違いはこのような場合にも表れます。どちらのタイプかわからなくなった時にはこの方法で識別できそうですね。

※注:メガネを下に向けましたので可視光反応型のレンズは向かって右側になりました。

5.注意事項

次にこの調光レンズ特有のご使用上の注意事項を私なりにまとめてみました。

  • 使用環境(天候・気温・紫外線量)の違いによって色調および濃度の変化が異なります。例えば冬よりも夏のほうが気温が高いため調光反応が弱く冬ほど濃く変化しません。
    (夏季での体験談は別途レポートさせていただく予定です)
  • 濃くなった状態から淡くなるまで時間がかかりますのでトンネル内や暗い場所、夕暮れ時の運転には光量不足で視力が低下し危険です。そのまま使用せず、事前に、はずされるか夜間運転可能なメガネに交換してください。
    ※紫外線で変化するタイプと違い、紫外線カットガラスに覆われた車内でも変化します
    ※車の中での濃度変化の度合いはフロントガラスの形状・傾斜や運転席シートの位置などによっても異なります
  • オープンカーやサンルーフ装着車、バイク、自転車、スノーモービルなどの天井を伴わない乗り物を運転する際や、スキー・スノーボードなどのアウトドアスポーツを行う際は細心の注意を払ってご使用ください。
  • 普通のメガネと同じく車の中で保管はしないでください。熱の影響でコートの不具合などが起きてしまいます。
  • 調光レンズの特性上、経年変化により、濃度の低下や色調の変化が生じます。

6.まとめ

車の中でも反応するから車の運転時にどうぞと言いながら、トンネル内は暗くなり危険だから使用してはいけないという矛盾はありますが、その意味は、環境によってはトンネル内で見えにくくなるほど濃く変わる場合もあるからお気を付けくださいということです。オープンカーやバイク・自転車などの運転時ではその可能性も高いので特にご注意ください。

以上になりますが、屋外から屋内に入ったときになかなかクリアにならないことや室内でも少し色がついたままなど今までとは違う性質もご理解いただきながら、光に反応するという言葉通りのレンズを楽しんでいただき快適にお使いいただければと思います。

このような体験談を通し、眼鏡作りに悩まれている方に少しでもお役に立てばと願っておりますので、ご質問やリクエストなどございましたらご連絡ください。どうかよろしくお願いします。

2013年 4月 初版
2024年 1月 更新

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