東海光学お客様相談室です。
今回2012年4月、弊社ではデジタル機器等から発せられるまぶしさやチラツキの原因となる「青色光」を効果的にカットする機能コーティング「ブルーカットコート」を発売しました。これを機会に以前テーマとして取り上げました「パソコン向きメガネ」について再考したいと思います。
前回 パソコン向きメガネレンズ
以前お話しさせていただいたパソコン時での眼精疲労を軽減するためのメガネレンズとして候補にあげられるレンズとして
1.光をコントロールし、チラツキやまぶしさを和らげるタイプ
遮光カラー(LG、NA、SCなど)、ファインカラーなど
2.度数をコントロールし、長時間の近業による調節性疲労を和らげるタイプ
遠近両用・中近・近用ワイドビジョンなど
3.上記の複合
をあげさせていただきました。今回発売のコーティングはもちろん1のタイプになります。
今までは相談室にパソコン向けとして何がおすすめかと聞かれたら遠近・中近・近用ワイドそれぞれに遮光カラーかファインカラーを複合していただくことをお勧めしていましたが、今回の「ブルーカットコート」が加わりどうなるのかということを自分なりに検討してみました。
現在私のかけているメガネですが、デスクでの時間が長いのでその状況を考慮し、遠近両用レンズの中でも「ベルーナレゾナスフィットHX」という脳科学メガネレンズにし、またパソコン用におすすめしているファインカラーの中の「ファイングレー15%」をつけています。ほかのメガネにかけ替えることなく毎日使い続けています。もちろん通勤時の車の運転にもそのままです。余談ですが、時々別のタイプのたとえば同じ脳科学メガネレンズでどちらかといえば外用におすすめのベルーナレゾナスの入ったメガネにかえてみるとその違いがよくわかります。レゾナスはレゾナスフィットに比べデスク周りが狭く感じてしまうし、画面を見ると度数が少し強く感じてしまいます。私にはやはりレゾナスフィットのほうがあっていると自己満足しています。
さて本題に入ります。そもそもチラツキの原因である青色光のカットの効果は簡単に認識できるかという点ですが、今回のブルーカットコートや薄いカラーではサンプルを目にかざしたくらいではわかりにくいかもしれません。しかしそれではご購入を検討されている方にとっては目安にはなりません。そこで光の透過率グラフでその効果がどれくらいなのかを判断できないかという視点でお話しします。ただ、あまりカットしすぎると色調も変わってしまいますのでカット率が高ければいいというものでもありません。まずそれぞれの透過率グラフをご覧ください。横方向が波長で縦方向が透過率になり、グラフが下に行くほどカットしているということになります。
※可視光線は約380~780nmあたりになりますので青色光は目に見える光の中で最も短い波長のパワーのある光になります。ちなみに紫外線は380nm以下の光になります。
まずブルーカットコートになります。
ブルーカットコート分光透過率曲線
380~500nmあたりのカット率は約14%カットしているということになります。
サンプルレンズでパソコン画面を見ると白い部分が少し茶色になりました。また細かい文字も少しピントが合いやすくなりました。正直少し疑問視していたのでこの結果は意外でした。しかし長時間パソコンをされる方には機能としては少し不足感があるように感じます。
このことからブルーカットコートと同じような特質をもった薄いカラーにブルーカットコートをつければどうなるのかの疑問がわいてきました。相乗効果が出れば「仕事用に使うから薄いカラーでおすすめのものは?」といったご要望にもお応えできるのではないかと期待しながら実際に作ってみました。
カラーは薄めのカラーであるファイングレー(TOKAIオリジナルカラー)15%にし、ブルーカットコートをコーティングすることにしました。以下のグラフはそのファイングレー15%単体のものとファイングレー15%にブルーカットコートをコーティングしたレンズの透過率を比較するために同一のグラフにしたものになります。
ブルーカットコートと同じ観点での青色光線のカット率はファイングレー15%のみの場合は22%、ブルーカットコートを足すと27%のカット率になりました。非常に良い相乗結果を出すことができました。濃さを変えることなく短波長のみカット率を上げるということになりますので、見栄えも目立たないカラーにて仕事にも気兼ねなくお使いいただけるのではないでしょうか。
尚、今回のグレー系のカラーは全体的に均一に光をカットするので色調の変化も少ないため遮光カラーの「CCP400 LGやMG」とともにご好評をいただいているカラーでもあります。
そこでまとめとしましては、以下にある青色光のカット率を目安にご自身のパソコン使用時間を照らし合わせていただき、使用時間が長ければカット率の高いものに、そして最終的に眼鏡店のカラーサンプルなどで効果をご確認いただきお決めください。またこれらを遠近両用タイプや中近タイプ、近用ワイドビジョンタイプなどにも組み合わせもできますので、その場合も状況に合わせ、それぞれのテストレン眼鏡店で試していただきお決めください。
・ブルーカットコート ・ファイングレー(以後FG)15% ・FG15%+ブルーカットコート ・FG20% ・CCP400LG ・FG20%+ブルーカットコート ・CCP400MG |
2012年 4月 初版
2024年 1月 更新