お客様相談室からのワンポイントアドバイス
ホームお客様相談室からのワンポイントアドバイス › Vol.17 メガネレンズの曇り防止 フォギーガードコート

※「フォギーガードコート(FGC)」2018年9月末を持って販売を終了となりました。
今までご愛顧いただきましてありがとうございました。

東海光学お客様相談室の水谷と申します。

新型インフルエンザ感染が身近になってくるなど危機感も増してきたこの頃ですが、その感染予防策としてマスクをかけられる方が多くなってきました。しかし、マスクをかけると困ったことにメガネが曇りやすくなってしまいます。マスク時以外でも冬の季節になりますとメガネが曇ってしまう機会も増えてきます。そんな場合、市販の曇り止め液をスプレーされる方もおみえになると思いますが、最近は撥水コート仕様のレンズをお使いの方も増えていますので、そのような仕様のレンズでは曇り止め液は弾かれて全くその役割を果たせませんし、スプレーできたとしても効果の持続は1日ぐらいです。毎日のことでどうしたらいいのか困りますよね。そこで今回はそのような声にお答えし開発した“曇りにくいコーティング”である「フォギーガードコート(以後FGC)」のご紹介とその効果につきまして実際どうなのかをレポートさせていただきます。

No Fogクリーナー
No Fogクリーナーはご購入時に1本ついています

メガネレンズの曇りは温度差によりレンズ表面が結露してできる非常に細かい水滴(水玉)に光が乱反射することで起こります。そこでFGCはレンズ表面に施した超薄膜の特殊コーティングが優れた親水性を発揮し、レンズ表面に発生する細かい水滴を膜状化(濡れたように見える場合もあります)することで結露や曇りを防ぎます。

レンズ表面に発生する細かい水滴を膜状化することで結露や曇りを防ぎます

このFGCはレンズの表面にFGC塗布剤を留まりやすくするための下地層があり、塗布後曇り止め効果を数日間持続させます。しかしレンズ表面に雨水など水分が付着しますと塗布剤も取れてしまいますし、何度もレンズを拭かれますと曇り止めの効果はなくなってきますので、効果が薄れてきましたら塗布剤を補充していただきます。少し手間かもしれませんが、その行為は定期的な汚れの拭き取りと同じようなメンテナンス作業と思っていただければと思います。尚このような仕様であっても補充以外の使い勝手は普通のレンズと変わりませんのでご安心下さい。尚、このFGCは現在全てのレンズ対応ではなく屈折率1.6と1.7のレンズのオプションになります。また撥水コートとは正反対の機能コートになりますので2つ同時につけることはできません。

それでは早速実験レポートさせていただきます。

まずレンズを水で洗い、あらためて専用塗布剤をスプレーして一旦リセット状態にしてからテストを開始しました。

[曇り止め効果実験内容と結果]

1.専用塗布剤の補充方法をまず検証します

ただスプレーして拭きあげるだけなのですが、きれいに拭きあげたら液まで取れて効果がなくなってしまうのではないかなど心配になります。そこでティッシュでの拭きあげの強さや回数で持続性の違いはでるのかどうか方法を変えながらその都度息を吹きかけて曇り具合を確認しました。

FGC効果確認の写真
上:SPS  下:FGC

◆結果◆

塗布後ティッシュペーパーで拭きあげを繰り返してから息を吹きかけましたが効果は発揮していましたので、液が表面に薄く残るようにするなどの手加減など拭き方の心配はあまりいらないようです。ただ何度も拭きあげるとやはり効果は弱くなるようです。

<参考>

撥水性コーティング(PGC・SPS仕様)が施されていない反射防止コートのみの普通のレンズにこの塗布剤を同じようにスプレーして効果を確かめましたが、全く効果は出ませんでした。やはり下地層がないと拭きあげ時に塗布剤は拭き取れてしまうようです。

2.効果持続具合を確認します

専用塗布剤を補充後は、毎日ティッシュペーパーで1日に2回程度軽くほこりを拭き取った後、息を吹きかけて曇り具合を確かめます。

◆結果◆

5日目は普通のレンズほどではありませんが、少し曇り始めた様子です。そしてついに6日目に曇ってしまいました。効果は5日間程度持続したようです。今回は特に湿度の高い環境ではありませんでしたし、気温差での結露もなかったので5日間ほど持続しましたがもっと湿度が高かったり気温差がある環境などでの使用では効果は短くなった可能性もあると思われます。

(効果確認5日目の写真)
上:SPS  下:FGC

※まとめとご注意点

■お手入れについて

  • スプレー後の拭き取りにつきましては曇り止め効果の持続性やキズの問題もございますので必要以上に拭き上げたり、力強く拭かないこと、また極細繊維のレンズ専用メガネ拭きでは液も取れてしまう恐れがあるため、ティッシュペーパーで軽く拭きあげるようにしてください。
  • 日々ほこりをティッシュペーパーで拭き取ったあと息を吹きかけ効果を確認後効果が薄れてきたと思われましたら塗布剤を補充してください。
  • 曇りを気にしなくてもいい季節になりましたら塗布剤を補充せずそのままお使いいただければいいのですが、レンズが汚れたりほこりなどが付着した場合は、乾拭きせず軽く息を吹きかけたり水洗いをなどして軽く拭きあげてください。その場合もティッシュペーパーをお勧めします。但し、柔らかめの素材でお願いします。
  • ご購入時に1本ついている塗布剤(No Fog クリーナー)は週1回のお手入れで約1年間はもちます(週2回であれば約半年の計算)が、その後の補充につきましてはご購入店にてお買い求めください。

■より効果的なFGC塗布剤の補充方法とご注意点

  • 水で表面の汚れなどを洗い流し、その水分をティッシュペーパーで押し拭きし取り除きます。これで補充の事前準備は終了です。
  • 次に塗布剤をレンズの両面の中心に1回ずつスプレーし、指で軽く全体に広げます。
  • その濡れた状態をティッシュペーパーでサンドイッチを持つくらいの力で軽く拭きあげて完了です。

<ご注意>
メガネ専用レンズ拭きなどの極細繊維は塗布剤が取れてしまう恐れがあるので塗布剤の拭き上げには使用しないで下さい。

■冷凍庫内でご使用の場合

  • 曇らないように水滴を瞬間膜状化するためすぐには曇りにくいですが、温度が低いためしばらくするとその膜状化した表面が凍ってしまうので曇ったようになります。よって冷凍庫内では十分な効果を発揮できません。

■マスク着用時でご使用の場合

  • マスク着用時のように常に蒸気をレンズに吹きかけている状態では蒸気の液状化が進み濡れたようになり視界が悪くなる場合がございます。その場合は再度専用クリーナーを塗布していただくことをお勧めします。

以上になりますが、簡単な実験のため実際のご使用状況・環境とイコールではないと思われますので、効果の持続性は前後すると思いますが、その点はどうかご了承ください。またご使用された場合のご感想などございましたらぜひ私まで教えてください。今後のお客様へのアドバイスや商品改良などに活かしていきたいと考えています。

このような体験談を通し、眼鏡作りに悩まれている方に少しでもお役に立てばと願っておりますので、ご質問やリクエストなどございましたらご連絡ください。どうかよろしくお願いします。

2009年 11月 初版
2023年 4月 更新

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