網膜色素変性症
網膜色素変性症とはなに?

わたしたちは、物を見るのに目を使います。その目の病気の一つに網膜色素変性症という病気があり、網膜に異常な色素沈着が起こる一連の病気のことです。そもそも網膜とは眼球の内面を覆っている紙のように薄い透明な膜で、よくカメラの中のフィルムにたとえられます。この網膜に外界からの光が到達し、網膜中の微細な神経細胞層を伝って脳に到達することによって、初めて「見る」ことができるのです。


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網膜色素変性症の最初の兆候はなに?

しばしば夜物が見にくい、暗いところが見にくい(夜盲症)というのが最初の訴えです。それが次第に脇の方の視野が欠けるという症状になっていきます。なかには望遠鏡をのぞいているような狭い視野になってしまう人もいます。これらの症状は長い年数をかけて徐々に進行する場合と、停止する場合があります。また、夜盲症があるからといって、すべての人が網膜色素変性症だとは限りません。しかし、網膜に何らかの異常があると考えられますので、専門家の診断が必要です。

網膜色素変性症の原因はなに?

近年、網膜神経細胞の一部(杆体)の遺伝子に異常があることが明らかにされました。しかしなぜ変性が起こるのかわかっていません。

網膜色素変性症の進行を止める治療はあるの?

網膜の変性を停める方法は残念ながら今のところありません。治療法を見つけるための数多くの試みが長年にわたって行われてきましたが、確実に科学的な「効果」を証明できる物はありませんでした。しかし、現在も研究者たちによって、可能性のある治療法について精力的に研究を続けています。もし、あなたが網膜色素変性症と診断されたら、どれくらいの早さで進行するのでしょうか?多くはゆっくりした進行を示します。それは、数年、ときに数十年かけた進行です。視力は1年たってもほとんど変わりません。

網膜色素変性症で失明することはあるの?

多くの人にとって「失明」とは光も感じないことを意味します。少数の患者さんが高齢になってこのような全くの失明となることもありますが、多くはいくらかの視力(法律上の失明とは呼ばれるかもしれませんが)を最後まで保つことができます。視力に関しては、個人により異なります。

法律上の失明とはどんな意味?

失明にはいろいろな定義がありますが、一例を示すと次のような物があります。

社会的盲
1.盲 = 両眼の視力が0.02未満
2.準盲 = 両眼の視力が0.02以上0.04未満
社会的弱視
両眼の視力が0.04以上0.3未満

(注意)視力については矯正視力を言います。

網膜色素変性症の人は、他にもなにか問題があるの?

普通はありませんが、生まれつき、または生後まもなくより聴力障害を起こすこともあります。このような場合アッシャー症候群と呼ばれています。まれに他の症候群を伴うこともあります。

眼球移植をすることはできるの?

網膜色素変性症でおかされているのは眼球の中の神経細胞層(網膜)なのです。これらの細胞は脳とつながっています。動物実験で網膜の移植が成功し、研究は少しずつ進んではいますが、人はまだ移植することはできません。よくみなさんが耳にする「眼の移植」とは角膜の移植で、網膜色素変性症とは関係がないのです。

ビタミン治療は効果あるの?

現在までのところ、ビタミン治療が網膜色素変性症に効果があるかどうかはわかっていません。はっきりした有効性が証明されていないにも関わらず、大量のビタミン、特にビタミンAを投与されています。科学者たちはこの問題になおも取り組んでいます。

網膜色素変性症とうまく付き合うために手助けを必要とするときは、どうしたらいいの?

ときに患者さんにとって、持っている疑問や関心事について他の同じような病気を持っている人と話し合うことが役に立つことがあります。現在日本を含め、23カ国に網膜色素変性症の会というのがあります。この会は、患者さん、専門家、研究者、支援団体から成り立っています。

もし網膜色素変性症が進行した状態になったときは、自立した生活はできないの

患者さんがより活発で自立した生活ができるように多くの援助やサービスが受けられます。たとえば、見当をつけたり、移動するための歩行訓練、明かりをコントロールすることや遮光眼鏡をかけることなどです。職業訓練校などでは、旅行、家事、就職や教育といった様々な状況に応じた訓練コースを行っています。

仕事はそのまま続けられるの?

網膜色素変性症の方でも創造的な生活や、職業を最後まで勤め上げることができます。それぞれの分野で生じたあるいは生じるであろう問題を明確にし、それに対して適切な援助、訓練を行ったり、必要なら職業の持ち場を少し変えることで仕事を続けることもできます。早期に診断を受けることは、教育や仕事の選択に有利です。

光が網膜色素変性症の進行に関わっているの?

日常さらされるくらいの光で網膜色素変性症が進行するという科学的証拠はありません。患者さんはなにの制限もなく日常の光のなかで暮らしていますが、その多くはまぶしい光は苦手だと感じているのも事実です。網膜色素変性症やそのほかの網膜変性症の患者さんは、もっと光の影響がわかるまでは、用心のために、明るい光のなかにいるようなことはさけなさいと指導されています。晴れた日の屋外では遮光眼鏡及び、質のよいサングラスが役に立ちます。遮光眼鏡などの選択に際しましては眼科医に相談しましょう。

以上、日本網膜色素変性症協会(JRPS)発行 『網膜色素変性症ってなに?』より抜粋

遮光眼鏡に関する補助

遮光眼鏡に関する補助につきましては、「遮光眼鏡とは?」の「補装具申請基準」をご覧ください。