お客様相談室からのワンポイントアドバイス
ホームお客様相談室からのワンポイントアドバイス › スマホに適したメガネレンズその③(50代向け)

東海光学お客様相談室です。
その③では、50代の方に向けたレンズのチョイスをアドバイスさせていただきます。

20代~40代の方向けに関しては以下をご確認下さい。
その①:スマホに適したメガネレンズ前編(20代・30代・40代前半向け)
その②:スマホに適したメガネレンズ中編(40代後半向け)

前回に引き続き、「そもそも老眼から来る使いづらさ」がキーワードになります。
ご年齢を重ねるにつれ近くにピントが合う距離が変わり、メガネの使い勝手も変化していきます。そうした部分も踏まえながら考えていきたいと思います。

○50代の方へのおすすめ
50代に差し掛かりますと、老眼とのお付き合いはもはや生活の一部ともいえます。
「近くが見える距離の限界点」は一般的には67cm以上となり、見えないシチュエーションが増える一方で遠近や老眼用メガネに対する抵抗感も減り、不便を感じながらもうまくご対応されている方も多いのではないでしょうか。

スマホを見るという観点において、ファーストチョイスはやはり遠近両用ですが、考慮するポイントがいくつかあります。

ポイント1:常用の利便性も考え、視線移動の距離(累進帯長)は11mm~13mmを推奨。

まずは上図をご覧ください。遠近両用はこのような設計になっています。
異なった度数を連続的に1枚のレンズに入れることで、ひずみ(図の濃い青色部分)が発生します。視線移動の違和感と共に遠近両用を使用する上での不快感に繋がる部分です。これは物理的にどうしても発生してしまうものであり、ここをどう設計するか、どう不快感を減らすのかが遠近の開発・進化の大きなポイントとなっています。

このひずみ部分は、視線移動の距離(累進帯長)が短いほど、近くに合わせる力(加入度数)が大きくなるほど強く出る傾向にあります。
前回でも触れた通り、40代後半を過ぎると加速度的に老眼が進行していくため、より多くの「近くに合わせる力」が必要になってきます。
そうなると、40代後半の方におすすめした「ベルーナ エナジー」のように9mmの累進帯長のレンズでは、視線移動の距離の短さも合わせて違和感・不快感が強く感じられるケースが多くなってしまいます。
反面、「老眼であること」への自覚は強くなり、周りの反応を気にすることも少なくなることで「あごを上げて見る」仕草への抵抗感も薄れて来る頃でもあるといえます。

こうしたことも総合して考えると、
・スマホ利用はもちろんだが、常用メガネとして毎日使うためにも、少しでもゆれ・歪みを感じにくいものがいい。
・多少は「あごを上げる」仕草もしょうがない。でも、フレームは小さめのスタイリッシュなものを選びたい。
といったご要望が出てくることが推測できます。

これらに合致するものと考えると、累進帯長は長すぎず・短すぎずが理想です。現状市場には8mm~18mmの間で様々なタイプがありますが、「11mm~13mm」くらいが良いと考えます。
9mmのような短累進に比べ度数変化時の揺れは低減されますし、15mmなどより近くを見る部分が広いため、「スマホを見る」というニーズにもマッチします。
また、フレームの天地幅(レンズ部分の上下幅)も11mmであれば最小26mmでも設計が損なわれませんので、フレームの選択肢もよほど限られることはありません。

但し、現在お掛けのレンズによっても選択は変わってきますので、眼鏡店様とよくご相談下さい。(例えば、現状11mmの方が13mmにすると近くを見る部分が狭くなってしまう等、デメリットがでるケースが考えられます。)

ポイント2:室内中心の使用であれば中近(室内用)レンズへの掛替えを推奨。

遠近両用の最大のメリットは、「1本で遠くから近くまでピントが合う」ことで、「掛替え」の煩わしさがないことです。
しかし、最大のデメリットは遠・中・近それぞれの視野が専用のメガネに比べるとどうしても狭くなってしまうことにあります。これに加え、先述の通り加齢により「近くにピントを合わせる力」が大きくなることで更に視野は狭くなります。
ご予算やお手間もあるかと思いますが、本来は用途に合わせて「掛替え」「複数所持」をして頂く事が、どんなに高価な遠近両用1本で済ますよりも快適な視生活の近道になります。

そうした考えのもとで、この世代の皆様におすすめなものが「中近両用/近中両用レンズ」です。
詳細はこちら → 中近両用レンズ/近中両用レンズ

手元から3m前後までが遠近両用より快適に使える、いわば「室内用レンズ」です。
遠くにピントは合わなくなりますが、近くの視野が広がりますし、何より遠近両用の中で最も視野が狭い中間部分(下図赤丸部分)がグッと広くなります。

※参考:長時間スマホを見ているとピントが合わなくなる!それは危険なサインかも!
「スマホを見る」環境は、室内であることが多いと思います。家でくつろいでいる時であったり、会社の休憩中であったり、電車やバスでの通勤時であったり…。満員電車ではさすがに大変ですが、ある意味掛替える余裕がある環境である、とも言えます。
もし「遠近両用ではちょっとつらいかな」とお感じになられたのであれば、ぜひ一度お試し下さい。

近中/中近両用レンズに関しては、以下にて詳しい体験談を掲載しています。
スマホに限らず室内で使用するには非常に便利で優れたレンズです。是非ご一読ください。
中近レンズ
新コンセプト近中両用レンズ

今回は以上です。
次回、その④は60代以上の方に向けたアドバイスをさせていただきます。

2019年 4月 初版
2024年 1月 更新

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